今日、7月5日(金曜日)に浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第31回目の短歌教室があった。
(1) 南溟に水漬きて還らぬ兵の墓田のあぜにあり母建てしとぞ
・「南溟」とか「水漬きて」なんかの言葉は、古めかしくて現代短歌ではあまり使わない。南方に出いいのではないか。
・「南溟に水漬きて還らぬ兵の墓」というところがなんとなく俳句の口調になっており、もう少し工夫が必要。
・この歌のバックを考えて、「南方」、「一人息子なのか」、「女手一つで育てたのか」などなどについて言うなら、別の歌にすべき
→ → → 残されし母が建てにし兵の墓田のあぜ道のほとりに古りぬ
(2) 亡き妻の血を引くゆえかわが娘笑える時に鼻にしわよる
・「笑える」が問題 「笑える」といった場合、二つの意味に取れる。
〈ⅰ〉 笑っている時
〈ⅱ〉 笑う事が出来る時
したがって今の場合は、「笑う時」とした方がよい。
→ → → 亡き妻の血を引く娘笑う時あわれ母に似て鼻にしわよる
(3) 卒寿過ぐ母と今年も庭の枇杷採りしがこれからいくたびかとる
・「卒寿過ぐ」は「卒寿過ぎし」が正しい。
・「これからいくたびかとる」は言いたいことは分かるが、これを言うと煩雑、複雑になってしまう。これは、言わないで鑑賞者の想像に任せる。
→ → → 卒寿過ぎても相変わらず元気なる母と今年も共に庭の琵琶とる
2013.7.5
Yukikaze
0 件のコメント:
コメントを投稿