2013/07/05

日々の風景 -短歌教室(添削)(2013.7.5)

 今日、7月5日(金曜日)に浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第31回目の短歌教室があった。

(1) 南溟に水漬きて還らぬ兵の墓田のあぜにあり母建てしとぞ
 ・「南溟」とか「水漬きて」なんかの言葉は、古めかしくて現代短歌ではあまり使わない。南方に出いいのではないか。
 ・「南溟に水漬きて還らぬ兵の墓」というところがなんとなく俳句の口調になっており、もう少し工夫が必要。
 ・この歌のバックを考えて、「南方」、「一人息子なのか」、「女手一つで育てたのか」などなどについて言うなら、別の歌にすべき

 → → → 残されし母が建てにし兵の墓田のあぜ道のほとりに古りぬ


(2) 亡き妻の血を引くゆえかわが娘笑える時に鼻にしわよる
 ・「笑える」が問題  「笑える」といった場合、二つの意味に取れる。
  〈ⅰ〉 笑っている時
  〈ⅱ〉 笑う事が出来る時
 したがって今の場合は、「笑う時」とした方がよい。

 → → → 亡き妻の血を引く娘笑う時あわれ母に似て鼻にしわよる


(3) 卒寿過ぐ母と今年も庭の枇杷採りしがこれからいくたびかとる
 
 ・「卒寿過ぐ」は「卒寿過ぎし」が正しい。
 ・「これからいくたびかとる」は言いたいことは分かるが、これを言うと煩雑、複雑になってしまう。これは、言わないで鑑賞者の想像に任せる。

 → → → 卒寿過ぎても相変わらず元気なる母と今年も共に庭の琵琶とる



2013.7.5
  Yukikaze


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