2012/08/22

日々の風景 -短歌教室(添削)(2012.8.22)

先の金曜日8月17日(金)は、浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第8回目の短歌教室があった。



(1) 「和」の文字を遠き祖先はわが姓にいかなる思いで付け給いしか

→ → 「 和田なる文字を遠き祖先はわが姓にいかなる思いを込めて付けしか 」



(2) 姉妹か「嗚呼不憫敏子十九歳昭和二年」の墓前(ぼぜん)、花あたらしき 

「姉妹か」が意味不明

→ → 「 『嗚呼不憫敏子十九歳昭和二年』と彫られある墓前に新しき花 」


(3) 大学の校歌が謳いし「真善美」みなおぼろなりわれも老いたり

→ → 「 大学の校歌にもありし『真善美』老いなる我にはみなおぼろなり 」


杜澤先生のコメントは、

(1)「杉山隆」の歌の紹介
   18歳で宇都宮大学の屋上から転落死
  「 愉しくてならぬ歌作を苦しくなど書きたる日より告白憎む 」
  
(2)「折句」(57577の頭に語句を読み込む)を作ってみるのも作歌の練習になる

(3)出来あがった歌は声を出してよく読みあげてみること

(4)「朝なさな」は、「朝な朝な」という意味だがア古い言葉でありあまり使わないほうがよい

(5)短歌は一行にかくこと。  一行に入りきらない場合は、余った文字は次の行の頭にもっていくこと


2012.8.22
   Yukikaze

2012/08/10

日々の風景 -短歌教室(提出)(2012.8.10)

8月17日の短歌教室用として下記の3首を提出した。

(1) 「和」の文字を遠き祖先はわが姓に
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaいかなる思いで付け給いしか
  私の姓は「和田」、「和」の文字が入っている。「和」という文字は、聖徳太子の十七条の憲法に始まって以来日本語において軽からざる位置を占めているように思われる。その「和」の文字が自分の姓に入っているということを重く感じるとともに、遠き御親がその漢字をつけてくれたことに心から感謝しているが、どのような思いで付けたのかできるものなら聞いてみたい気もする。


(2) 姉妹か「嗚呼不憫敏子十九歳昭和二年」の
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa墓前(ぼぜん)、花あたらしき 

 散歩の途中に墓地があったので、ちょっとのぞいたらそのようなお墓があった。


(3) 大学の校歌が謳いし真善美、
aaaaaaaaaaaaaaaaみなおぼろなりわれも老いたり
九州大学工学部旧本館

 母校である九州大学の学生歌「春の賛歌」一番の最後に「(もと)めん求(もと)めん噫真善美(ああしんぜんび)」という文句があった。



九州大学 学生歌 「春の賛歌」

浜田幸一郎 作詞

荒谷 俊治 作曲

不知火(しらぬい)の筑紫(ちくし)の浜(はま)
()よや闇(やみ)を破(やぶ)りて燃()え立()つは
若者達(わかものたち)の円舞(えんぶ)の焚火(かがりび)
()はたぎり心(こころ)は躍(おど)
われら若(わか)き子等五千(こらごせん)
松原(まつばら)に夢(ゆめ)を結(むす)びて
(もと)めん求(もと)めん噫真善美(ああしんぜんび)

南風立(はえた)てる古(ふる)き都(みやこ)
(つど)う世紀担(せいきにな)う者(もの)(よろこ)びに
(いま)ぞ歌(うた)うはそれ春(はる)の讃歌(さんか)
(あい)と知()を情熱(じょうねつ)に秘()
これぞ輝(かがや)く青春(せいしゅん)
いざ共(とも)に声(こえ)をそろえて
(たた)えん讃(たた)えん噫(ああ)この春(はる)


2012.8.10
  Yukikaze

2012/08/08

日々の風景 -短歌教室(添削)(2012.8.8)


先の金曜日8月3日(金)は、浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第7回目の短歌教室があった。


(1) 吉野川心もとなきもぐり橋
aaaaaaaaaaaaaa渡れば近し亡き父の里

「もぐり橋」とは何ですか? 自分が辞書で調べたら載ってなかった。 → → → 潜水橋と言って、洪水のときには水の中にもぐってしまう橋で、吉野川にはたくさんあります。

→ → → 吉野川の橋をわたれば亡き父の
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa生まれし故郷の一条近し


(2) 五月雨に堤防まさに危うしと
aaaaaaaaaaaaaa父生(あ)れし日の村史にありし

「五月雨」という言い方も今は使わない。また、「生れし」などという言い方も今はしない。

→ → → 父が生まれしその日の村史詠みゆけば
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa川増水し堤防危うしとあり


(3) 阿波踊り父には出来ぬ言いわけあり
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaa損得ずくで踊るものかと 

これは何を言っているのか分からない → → → 阿波踊りの文句に「同じアホなら踊らにゃ損損」というのがあって、父はそのことを行っていた。

→ → → 踊らねば損などという阿波踊り
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあほらしくて踊れるかと父踊らざりき


今回は(3)の歌は、もともと「ちょっと分かりにくいかな」と思っていたが、案の定言われてしまった。また、(1)、(2)の歌は、かなり推敲をした自信作であったが、上記のような言われ方をしてしまった。 しかし、もとの歌も捨てたものではないと思っている。また、杜澤先生のそのほかの指摘として、① 「語彙を増やしなさい」というものがあった。これは、私の歌ではないが、「岩浜」は「磯浜」、「小さき海」は「潮溜まり」などの指摘をふまえたもの。② 難しい語彙は使わないようにすること。「碧空」とか「青藍」などと言わずに「青空」でよい、と。この辺は心に留めておきたい。

2012.8.8
    Yukikaze



2012/08/02

短歌・俳句の風景 -その120(2012.8.2)

今回は短歌です。

『 乳呑子を見れば思ほゆわれも斯く
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaa母が胸乳を手にさぐりけむ 』

横浜市の K.S さんの作品です。

さいたま市 「青葉園」の母子群像
子抱き土偶」

このテーマでは昔からたくさんの芸術作品が作られてきたように思います。上記の「子抱き土偶」は、八王子市川口町の宮田遺跡から発掘されたもので、今から約4500年も前のものだそうです。母親が横座りをして赤ん坊を膝の上にのせ、優しくてを添えて母乳を与えています。赤ん坊はちょっと一休みして、たらちねの母をあどけない表情で見上げています。惜しくもその母親の顔は失われていますが、温かく見下ろす幸せな空気がしのばれ、つい頬が緩みます。
この歌はまさに大昔からのこのような親子の情感を子供の側から感謝と懐旧の情を含めながらうまく表現しているように思います。

2012.8.2
  Yukikaze