2012/12/19

日々の風景 -短歌教室(添削)(2012.12.19)

先週の金曜日12月7日(金)、浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第17回目の短歌教室があった。


(1) すでに亡き妻に届きぬ美容院の新装開店告げし絵はがき

・ 一つキズがある。何か。「告げし」は過去形、ここは「告げる」とすべき
・ 前半と後半を入れ替えたほうが分かりやすくなる。

→ → → → 新装開店告げる美容院の絵はがきが妻に届きぬすでに亡き妻に 
・ このように、言葉を繰り返えすことによって気持ちがつよくなり、思いがこもった歌になる
場合もある


(2) 路地裏に声あらあらと聞こえくる親を叱ると知りてわびしき

・ 「あらあらと」という言葉はない。 言うなら「あらあらしく」とすべき
・ このままだと「聞こえ来る」が次の「親」にかかるようにも読める
・ 「わびしき」などという言葉はなるべく使わないようにすること

→ → → → あらあらしく老いたる親を叱る声筒抜けに聞こゆ夕べの路地より

・ 「夕べ」が「朝(あした)」では歌にならない。 ここは、「夕べ」とすべき
・ 「夕べの路地より筒抜けに聞こゆ」では説明的になってしまい不可


(3) 亡き息子が隣の主婦の夢に顕(た)ち腹すかしいると告げしとぞ聞く

・ 「亡き息子が」の「が」は不要
・ 「告げし」という言葉はかたい感じがする
・ 息子を「吾子」トするのはどうか → → → そんな古臭い言葉は使わないほうがよい

→ → → → 隣の主婦の夢に顕ちたるわが亡き息子腹がすいたと洩らしたという

→ → → → 腹がすいたと洩らしたという隣の主婦の夢に顕ちたるわがなき息子
→ → → → 腹がすいたとわが亡き息子隣家の主婦の夢に顕ち洩らしいしとぞ

最後に、「詞書きは出来るだけ不要とするように、短歌のみで分からせるように努力
すること」とのお話があった。



2012.12.19
    Yukikaze



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