2012/07/19

短歌・俳句の風景 -その119(2012.7.19)

今回は短歌です。

「 頬にふるる指(おゆび)のさきにいのち生(あ)る、
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaものいひ給へ半跏思惟像(はんかしいぞう) 」

愛知県の I.K さんの作品です。


      
広隆寺の半跏思惟像
広隆寺の半跏思惟像の上半身

半跏思惟像というのは、正式には弥勒菩薩の半跏思惟像というらしく、さらにこの 弥勒菩薩の半跏思惟像というのはあちこちにあって、 とくに有名なのは上記写真の京都広隆寺のもの、奈良中宮寺のものだそうである。 いずれも右足を左足の腿にのせ、右手を曲げて、その指先きをほのかに頬に触れんばかりの優美な造形である。また、アルカイックスマイル(古典的微笑)と称される微笑みを浮かべており、神々しい気品にはあふれてはいるが、包容力ゆたかな慈母のような優しさにみち、いかにも人間の救いをいかにせんと思惟されるにふさわしい清純な気品をたたえた御仏である。   
この歌からは、 慈母のようなこの御仏を見たときの打たれるような、また本当にすがりつきたいと思う感動がまさに伝わってくるようです。

2012.7.19
  Yukikaze

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