2013/05/13

日々の風景 -短歌教室(提出)(2013.5.13)

5月17日の短歌教室用として下記の3首を提出した。

 今回は、先月4月に20数年ぶりに生まれ育った九州・大牟田に旅行し、旧友たちとも再会した時の感慨を詠んでみた。

(1) 尋ね行きし筑後の国の家跡に思い出に残る何物もなし

 私が生まれ、19歳まで過ごしたのは九州の大牟田である。三池炭鉱の地元であり、私が中学高校時代を過ごした時期は、三池争議や炭鉱の爆発事故など芳しくないニュースも多かったが、人口も23万人を数え非常に活気があった。しかし、今は人口も13万人を切ったそうで、半分近くになっている。19年間を過ごした家跡は老人ホーム(ケアハウス)の駐車場になっており、この歌の通り、当時の痕跡は何も残っていない。

私が生まれ育った家跡は駐車場になっていた

(2) 不知火小廃校となりて同窓の四人の語りあかとき尽きず

 私が通った大牟田の不知火小学校は、大牟田の中心部にあり、私はバスで通ったが、かなり前(今から30年近く前)に廃校となって近くの笹林小学校と統合され「大牟田小学校」になったそうである。跡地には、「大牟田文化会館」が立っている。ここも、不知火小学校時代の痕跡は何も残っ
ていない。

今はなき不知火小学校の正門
小学校の同窓会(東京・昨夏)






大牟田文化会館
(3) 年を経て会いし友らも老いにけり口づてに聞く訃報の多し
 
 大きく衰退・変貌してしまった故郷の中で、唯一心を慰められたのが、旧知の友との再会・歓談
であった。当然のことであるが、彼らもまた私と同様に老いてはいるが、歓談した高校の同窓生6人のうち2人はまだ現役でがんばっている。
 


2013.5.13
   Yukikaze

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