今日、5月31日(金曜日)に浦和ロイヤルパインズホテルB1Fで「よみうりカルチャースクール」の第28回目の短歌教室があった。
(1) 故郷の字名なつかし青無塚(あおむずか)今は味気なし青葉町となる
有名な、啄木の「故郷のなまり懐かし停車場に・・・」の歌をすぐさま連想させ、あまり良くない。
また、この歌を詠む時には、「なつかし」の後、「青無塚」の後、「味気なし」の後で切れることになり三か所で切れている。これもよくない。
→ → → 故郷のなつかしき字名の青無塚いまは青葉町となりて味気なし
(2) 「天然の美」演奏しつつ練り歩くチンドン屋見き父の肩車に
「演奏しつつ練り歩く」という表現はまどろっこしい。
→ → → チンドン屋のジンタを聞けば父の肩車に聞きにし昔よみがえる
→ → → クラリネットに「天然の美」を奏でつつ春の商店街をチンドン屋が来る
(3) 花すぎて桜の若葉雨ごとに力満つるを羨しみて見る
精神的になりすぎて、力みすぎている。素直に、若葉が美しいことのみを詠めばいい、のではないか。
→ → → 葉桜の風にそよげる並木道緑のトンネルを行けばすずしき
私の歌ではないが、I さんの歌
「 お年寄りの亡くなりし後の家屋敷はや整地され井戸のみ残る 」
歌意は多分「一人暮らしの老人」が亡くなった、ということであろうから、「お年寄り」だけだと表現が不十分。「独居老人」とすべき。また、「亡くなりし」は尊敬の表現でもあり、ここでは不適。「逝きにし」とすべき。次に、家屋敷は表現が硬すぎる。「古き屋敷」あるいは「大き屋敷」、ここでは、「大き屋敷」の方が実感が出てよい。「はや整地され」よりも「更地となりて」の方がよい。
→ → → 独居老人逝きにし後の大き屋敷更地となりて井戸のみ残る
今日もいろいろいいわれ徹底的に直されたが、いい勉強になった。
2013.5.31
Yukikaze
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